こんにちは。グループホームラフです。
今回は、あるご家族との出会いのお話を綴らせてください。
50代の精神障がいを持つ男性の入居までの道のり――
それは、ご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな決断でした。
同じように悩みを抱えるご家族の方に、「ひとりじゃないですよ」と伝わるような記事になれば嬉しいです。
「母と弟で、ずっと一緒に暮らしてきました」
最初にご相談いただいたのは、弟さんからのお電話でした。
「兄は50代で、ずっと実家で暮らしてきました。母と僕と3人で、なんとかやってきました。でも、正直、限界を感じています。」
お話を伺うと、お兄さんは若い頃に精神疾患を発症され、その後は通院と服薬を続けながら、家族と共に生活されてきたとのことでした。
お母さまは高齢になり、体力的にも精神的にも負担が増えてきた。
弟さんも家庭を持ち、ご自身の生活との両立に悩みながら、ずっと「兄のことは家族で守るべき」と自分に言い聞かせてきたそうです。
でも、あるときふと、こう思ったと言います。
「このまま、母が倒れたら…兄はどうなるんだろう。」
「“家族だけで何とかする”のは、もう限界なんじゃないか」と。
「家族が手放す」ことの痛みと葛藤
見学の日。
お兄さんは終始無口で、お母さまは何度も「すみませんね…こんな子で」と恐縮されていました。
そして、弟さんがぽつりとこう言いました。
「自分たちで守ってきたからこそ、他人に任せるのが本当に怖いんです。
でも、兄にとっても“家族の保護下にいる人生”が本当に幸せだったのか…。
僕たち家族も、もっと早く“支えてもらう選択肢”があるって知っていたら、違ったかもしれません。」
その言葉に、私たちスタッフも胸が詰まりました。
家族で守り抜いた年月。
その愛情と責任があったからこそ、「入居」という選択には、切なさも葛藤もあったはずです。
でも、それは“手放す”ことではなく、“信じて託す”ことなのだと、私たちは思っています。
そして始まった、もう一つの暮らし
入居後しばらくは、やはりお兄さんも戸惑いがありました。
けれど、毎日同じ時間に食事をすること、スタッフと何気ない会話を交わすこと、少しずつ変化が見えてきました。
ある日、お母さまからこんな連絡をいただきました。
「この間、“今日はカレーだったよ”って、うれしそうに電話がきたんです。
なんだか、あの子が“自分の暮らし”を語ってくれたような気がして、涙が出ました。」
弟さんも、「兄のことで毎日緊張していた生活が、ようやく少し緩みました」と話してくれました。
家族で守ってきた日々が、無駄になることはありません
グループホームに入るということは、“家族の役目が終わる”ということではありません。
むしろ、少し離れた距離だからこそできる関わり方があり、ご本人にとってもご家族にとっても、心地よいバランスが見つかることがあります。
「入居対象ですか?」
「もう遅いんじゃないか?」
「うちの子みたいなケースでも大丈夫ですか?」
そう思っている方にこそ、お伝えしたいのです。
今からでも遅くありません。
まずは、気持ちの整理からでいいんです。
一緒に、未来の暮らしを考えていきましょう。
最後に
ご家族の思いに、心から敬意をこめて。
私たちは、どんなご相談にも寄り添い、安心できる場を一緒に作っていきます。
「こんなこと聞いてもいいのかな?」
そんなことこそ、ぜひ聞かせてくださいね。
お読みいただき、ありがとうございました。
